ここ数年でDIY、ハンドメイド用品や3Dプリンターが一般人にも容易に手に入るようになったことで、モノづくりが身近になりました。
とりわけ3Dプリンターは5,6年前までは一台数十万円したそうですが、中国や韓国が格安の3Dプリンターを開発して日本市場に入り込んできたことで一気に価格が下落しました。今は安いものだと1万円台〜3万円台のものもあり、しかも性能も高くなっています。
パソコンで作ったものが、実際に触れるようになるなんて、かなり楽しい時代ですね。子どもの頃にパソコンのペイントで描いたキャラクターの絵がプリンターで印刷されて出てきたときですら感動的だったので、立体になって出てきたら子どもたちは大興奮だろうと思います。
今回は小学生くらいの子どもでも感覚的に使える無料の3DCADと一部簡単な使い方をご紹介します。
3DCADには様々なタイプがありますが、パソコンにインストールしなくてもインターネットがつながっていればブラウザ上で動かせるものを選びました。専門的な知識がないパパママでもお子さんと一緒に動かせるようなCADを取り上げています。
無料で使える子どもにオススメのCAD「TINKARCAD」
はじめに、紹介するCADに必要なものはインターネットにつながったパソコンとメールアドレスです。アカウントを作っておけば、どのパソコンでも自分の作った3Dデータを動かすことができます。
ちなみに、ノートパソコンならトラックパッドよりもマウスの方が圧倒的に作業しやすいです。
「TINKARCAD」は子どもにも親しみやすい日本語対応になっており、3D経験のない子どもたちのために設計されています。立方体や球体などを作業平面にドラッグ・ドロップするだけでアイデアを簡単に組み立てることができます。
以下、「TINKARCAD」で簡単に作ってみました。
中央のブルーのグリッドが作業平面。右側にある基本シェイプから好きな形を選んで、作業平面の上にドラッグ・ドロップします。
「球」に「球」を重ねてサイズを縮めて位置を調整・・
立体部分をクリックすると矢印が出るので、感覚的にサイズを大きくしたり小さくしたり移動したりできます。
さらに小さい「球」を重ねて、ほっぺもつけて。
右側の基本シェイプの上、「作業平面」をクリックすると立体を置きたい底面のXYZ軸を自由に変えられます。いじってみれば感覚的に分かるようになっています。基本シェイプ「文字」を選べば文字の内容を変えたりもできます。
立体をクリックするとポップアップが出るので「ソリッド」という部分でカラーを変えられます。
どこかで見覚えのある立体物ができあがりました!
算数で遊べるスマホアプリ SUM! のキャラクターunoです。
3Dプリンタ用のデータの出し方
「TINKARCAD」は3Dプリント用のstlデータ形式に書き出すことができます。stlデータとは、画像を印刷するときのような「〇〇.jpg」や「〇〇.png」のような拡張子がついた3Dプリンター専用の書き出し形式です。
今回は3DCADの使い方だけで3Dプリンターの具体的な紹介はしませんが、3Dプリンタ用のデータの出し方は簡単。
右側の「エクスポート」をクリックすると画像のようなポップアップが出るので、「.STL」を選んでダウンロードしておけばほとんどの3Dプリンタで出力ができます。下の画像がダウンロードしたSTLデータです。
「あれ?色が付いてない」と気づくと思いますが、市販の3Dプリンタで出力するときはカラーは付いておらず、ほとんど1色です。
フィラメントと呼ばれる樹脂を細い繊維状に絞り出し、積み上げるようにしてプリントされるので、カラーをつけるには出力されてから別途、塗装する必要があります。ここからはアナログな工作ですね。
今回は詳しく紹介しませんが、色をつけたければ、そのままだと目が粗いのでパテやジェッソなどを外側に塗ってヤスリで削ってからスプレー塗装して仕上げたりします。ホームセンターのDIYコーナーや、家電屋さんなどのプラモデルコーナーにある材料で十分です。
「TINKARCAD」が子どもにもオススメなポイント
「TINKARCAD」のオススメポイントは、自分でデザインしたデータを公開非公開を選んでストックしておけることです。さらに「学習」ページがあり子どもでも感覚的に使い方を学ぶことができるように作られています。
しかも「ギャラリー」ページでは世界中の利用者がデザインしたものが閲覧できるようになっていて、いいねをつけたりコメントできたり、交流できるようにもなっています。
他の人が作ったデザインに刺激を受けて、「自分もこういうの作ってみたい!」「もっとすごいもの作ってみたい!」とモチベーションを上げながら遊ぶことができるのではないかなと思います。
自分の好きな形を3DCADで自由に作って、3Dプリンターで出力するオンリーワンのモノづくり。
冬休みにお子さんが自宅で退屈しているなら、まずは親子で3DCADにトライしてみてはいかがでしょうか。
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