冬の食卓に欠かせない煮込み料理のカレーですが、
寒いからといって2〜3日も鍋をコンロの上に置きっ放しにしていませんか?
「2日寝かせたカレーがおいしい」とよく言うけれど、常温保存は衛生的にちょっと危険もあります。
カレーにはトロミがあって空気を通しにくいゆえに、空気が嫌いな食中毒菌が繁殖しやすい料理。
今回はカレーの保存期間と食中毒菌について紹介します。
食中毒ウェルシュ菌にとってカレーは温床になりやすい!
ウェルシュ菌とはあまり耳にしないですが、
じつは人や動物の腸管、土壌など自然界に広く存在しています。
特徴的なのは酸素のないところで増殖する細菌で芽胞を作ります。
手を洗わずにバイ菌が付着した人の手指からウェルシュ菌がカレーの中に入り込み
芽胞を作ってしまうと100℃で数時間加熱してもやっつけられません。
カレーなど深い鍋の酸素の入りにくい鍋底は快適。
ウェルシュ菌は主に下痢と腹痛を引き起こします。
この菌による食中毒は、一般家庭での発症例は少なく、飲食店や施設で集団発症しやすいといわれています。
増殖の適温は43 〜45℃とされますが、冬場でも不十分な加熱により増殖させてしまう恐れも。
わたしも学生時代に寝かせたカレーを食べて食あたりを起こした思い出が・・
もしかしたらウェルシュ菌によるものだったのかもしれません。
食中毒を起こさないための大前提としては、料理の中にウェルシュ菌を入れないこと。
料理する前には手をよく洗って、清潔なまな板や包丁、鍋を使いましょう!
常温で寝かせず冷蔵庫に保存!賞味期限は2〜3日!
カレーを作ったら粗熱をとって、10℃以下で保存をすることが推奨されています。
酸素の少ない環境で増えるので、増殖を阻止するために小さいパックや器に小分けにして冷蔵庫で保存。
また、食品を再加熱する場合は酸素を送り込むように鍋底からかき混ぜて十分に加熱しましょう。
加熱しても芽胞は死滅しないこと もあるため、加熱を過信しないこと。
作りすぎても冷蔵保存して2〜3日のうちに食べきれる量に調整しましょう。
ウェルシュ菌について詳しく知りたい方は下記リンクをご参照ください。
→農林水産省(PDF:ウェルシュ菌食中毒の報告数に関する資料)
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